1.瓦の種類から塗装が必要か判断する

瓦は形成方法の違いから、大きく2種類に分かれます。

1-1.粘土系|塗装は不必要

粘土系の瓦は和瓦といわれ、いぶし瓦・無釉瓦・陶器瓦等があります。昔ながらの日本家屋や日本建築のお城や寺社等によく使われています。

特徴としては、他の屋根材よりも重く、スレート瓦は平均約24kg/㎡に対して、和瓦は平均約45kg/㎡もあります。そのため、台風などの強風には強いですが、耐震性は他の屋根材に比べて低めです。

粘土を瓦の形にかたどった後、高温で焼き上げて製造され、陶器の食器のように耐久性の高いものができあがります。衝撃を受けるとひび割れ等が発生してしまいますが、基本的には瓦のメンテナンスは不要です。

ただし、漆喰等の瓦以外の周辺部分のメンテナンスは必要です。

粘土系の瓦は、表面の保護という観点で塗装は必要ではありませんが、色変え等を目的とした塗装をすることはできます。塗装をしても塗膜が剥がれやすいためあまりおすすめはできませんが、塗装の際は専用の塗料を使用します。

粘土系瓦専用塗料

粘土系の瓦でメンテナンスを考えている方は、瓦の交換や補修、漆喰等の補修がメインになります。屋根全体をメンテナンスしたい場合は、塗装よりも葺き替え工事がおすすめです。

1-2.セメント系|塗装が必要

セメント系の瓦には、セメント瓦やモニエル瓦があります。前項の和瓦と違い、粘土を焼き上げているわけではなく、セメント、砂、水を混ぜ合わせ、モルタルのようにセメントの化学反応で硬化させたものとなります。ですので、瓦表面にはモルタル同様意匠性(色、艶)がなく、更に防水性もなく雨水を吸い込んでしまう為、塗装が必要です。

また、モニエル瓦はヨーロッパ発祥のセメント瓦で、通常の瓦とは違い表面に「スラリー層」という着色したセメントの液(ペースト)が薄く吹き付けられ、更に吸水防止のためにクリヤー塗料が塗られています。そのため、この上に塗装をするともろいスラリー層から塗膜の剥がれ等が起きるトラブルが多く、現在では製造されていません。塗装の際は表面のこの劣化したスラリー層をしっかりと取り除いてから施工する必要があります。

モニエル瓦かセメント瓦かを見分ける際は、小口を確認します。小口部分がスラリー層が付着し凸凹している場合は、モニエル瓦です。

ご自身の屋根瓦がセメント系の瓦であった場合、屋根のメンテナンスが必要です。まずは、どちらの種類の屋根なのか、調べてみましょう。

1-3.塗装をおこなわなかった場合

セメント系の瓦で塗装をおこなわなかった場合、塗膜の劣化で美観が損なわれ、

更に劣化が進行し、ひびわれや破損をした状態で放置することになります。

ひび割れから雨水が浸入し雨漏りにつながり、瓦の破片が落下する被害も少なくありません。

また、塗装をせずに放置した場合、表面の素地がむき出しの状態になるので雨水を吸収し、乾湿の繰り返しや凍結により、

少しの衝撃でも割れやすくなってしまいます。一度もろくなってしまった瓦は素材自体を塗装で強化することはできないので、

ひどくなる前に一度業者に見てもらうことをおすすめします。

2.瓦塗装の特徴

ここからはセメント系瓦特有の特徴を説明します。

2-1.最大のメリットは他のメンテナンスより安いこと

瓦塗装の最大のメリットは、他のメンテナンス方法よりも安いことです。塗装以外のメンテナンス方法は、屋根材の葺き替えがあります。今の家をあと20年以上持たせたい、という場合は葺き替え工法がおすすめですが、費用が数百万円以上かかってしまいます。とりあえず10年前後持たせたいという方には塗装がおすすめです。

また、屋根のメンテナンス方法として屋根材を既存瓦の上から被せる「カバー工法」もありますが、瓦屋根の場合は施工できません。メンテナンス方法は塗装か、葺き替えの2択となりますので注意が必要です。

<参考価格>※屋根面積100㎡の場合

メンテナンス方法 相場
葺き替え スレート瓦 約140~190万円
セメント瓦 約160~220万円
和瓦 約130~150万円
塗装 約25~40万円(塗料によって変動)

※葺き替え工法の場合は、既存瓦の撤去代が約3,500円~5,500円/㎡、廃材処理費が一式3万円程度かかります。

屋根の葺き替えについては、一度「竹山塗装興業」に相談してください。

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